平和祈念集会の中止に伴い、町長メッセージを掲載します。

　78年前の今日、数えきれない尊い人々の犠牲のもと凄惨を極めた大戦が終結致しました。戦禍に斃れられた諸先輩方に思いを致すと、戦争の悲惨さを次の世代に語り継ぎ、恒久平和を確立する責任を痛感いたします。今日の繁栄と平和は、祖国のため、ふるさと久御山のために、心ならずも命を落とされた戦没者の尊い犠牲の上に築かれていることを、私たちは決して忘れてはなりません。

　悲惨な戦争の時代を生き抜いた方々も高齢となり、直接その体験を語れる方が本当に数少なくなってきております。しかし、家族・友人を失った悲しみ、戦傷病による健康不安を一生抱えなければならない苦しみ、これらは決して「終わったこと」ではなく、今なお深刻な心身の傷に苦しんでいる方が数多くおられます。

　しかし、世界では、いまだテロ行為や地域紛争が後を絶たず、多くの人が武力による争いに傷つき、苦しんでいます。北朝鮮によるミサイル発射は、2022年以降かつてない高い頻度で繰り返されており、緊張状態が続いております。加えて、ロシアによるウクライナ侵攻は約一年半経った現在も終わりがみえず、核兵器の使用を示唆した一連の行為も、国際社会の平和と秩序、安全を脅かし、核兵器の廃絶と恒久平和を願う人々の願いを踏みにじる行為であり、決して許されることではありません。そういった破壊行為や争いが一日も早くこの世からなくなるよう平和の尊さを訴えること、そして、争いからは多くの悲しみしか生まれないことを、未来を担う次の世代に語り継いでいくことが私たちの責務であると考えております。

　本町では、平成元年10月に、恒久平和の理念を町民生活の中に生かし、子孫に継承するため、平和都市であることを宣言しました。また、住民意識の高揚を図るため、役場庁舎前に平和都市宣言記念碑を建立するとともに、平和祈念集会などの事業を通じて、平和行政の一層の推進に努めているところであります。

　今後とも、本町の平和行政の推進に対し、住民の皆様のさらに深いご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

令和5年8月15日　　

久御山町長　　信貴　康孝