○「野菜のまち」久御山町食育推進条例

令和6年12月25日

条例第23号

久御山町は、促成の果菜苗である「淀苗」の産地であり、その歴史は室町時代に遡る。また、伝統的な野菜の栽培も盛んであり、都市近郊の地の利を生かした軟弱野菜や京野菜の産地として発展してきた。地場産農作物やそれらを用いた郷土料理に接する機会に恵まれており、その魅力と味わいを肌身に感じることができる個性豊かな食文化を代々受け継いでいる。

しかし、近年では手軽に早く食事を摂ることが増え、家庭の味や地域産物の素材の味に接する機会が減り、毎日の食の大切さが見過ごされつつある。こうした環境の変化は、朝食の欠食や栄養の偏りを招き、心身の発達に影響を与え、生活習慣病、要介護状態や認知症の原因となる等様々な課題を生じさせている。

こうした中、私たち一人ひとりが豊かな食に恵まれた郷土への矜持と生産者等への尊敬と敬愛の念を持ち、地場産農作物を使った家庭の味や郷土料理を生活に根付かせることにより、地域産業が活性化し、食への理解が深まり、心身の健康を増進させる好循環を生むものとなることから、食育を推進し、広く町民に普及するよう努めることが重要である。

ここに、地域に根ざした食文化の大切さを再認識するとともに、食についての意識を高め、健全な食生活を自ら実践していく能力を育み、健康でいきいきと暮らせる久御山町を推進するため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、町民の健康づくりに対する意識の向上及び健康増進の観点から、食育の重要性に鑑み、食育基本法(平成17年法律第63号)に定めるもののほか、久御山町(以下「町」という。)の野菜を主体とした食育に関する基本的な理念を定めることにより、全ての町民が自ら食を学び、育むことで、生涯にわたって健康に暮らすことができる社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 食育 様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てることをいう。

(2) 地産地消 地域で生産された米、野菜、果物、茶等の農作物をその地域で消費することをいう。

(3) くみやま野菜 町で生産された野菜をいう。

(4) 学校等 町内に所在する小学校、中学校、こども園等をいう。

(5) 教育関係者 教育及び保育に関する職務に従事する者並びにこれらの関係機関及び関係団体をいう。

(6) 生産者等 農業を営む者及び団体並びに食品の製造、加工、流通、販売、食事の提供等を行う事業者及び団体をいう。

(基本理念)

第3条 食育の推進は、町民の心身の健康増進と健康寿命の延伸に資することを基本として、家庭、学校等、地域において町民が自らの食生活に関心を持ち、健全な食生活を実践することができるように行われなければならない。

2 食育の推進は、地域に根付いた食文化及び旬や地域の特性を活かした食生活を尊重し、町民が積極的に生活に取り入れ、環境負荷の低減の観点からも地場産農作物への理解が深められるよう地産地消の推進により行われなければならない。

3 食育の推進は、生産者等及び消費者の相互理解のもと、野菜の健康効果を重視し、くみやま野菜の普及促進及び消費拡大に努め、生産者等への理解醸成及び地域産業の振興が図られるよう行わなければならない。

(町の責務)

第4条 町は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、町民、生産者等及び教育関係者と連携して、地産地消、くみやま野菜の健康づくりにおける有効性及び料理等における有用性についての普及啓発に努め、食育の推進に関する施策を総合的かつ計画的に実施するものとする。

(教育関係者の役割)

第5条 教育関係者は、基本理念を理解し、教育における食育の重要性を認識したうえで、子どもたちの食に対する関心及び理解を深めるよう努めるとともに、地産地消及びくみやま野菜を取り入れた食育の推進を図るよう努めるものとする。

(生産者等の役割)

第6条 生産者等は、基本理念を理解し、環境に配慮した安心・安全な食の提供、くみやま野菜の活用促進及び安定的供給に努めるとともに、町民が日常生活に取り入れられるよう推進し、自然の恩恵である食への関心及び理解が深まるよう努めるものとする。

(町民の役割)

第7条 町民は、基本理念を理解し、町が実施する地産地消やくみやま野菜による健康づくりに関する施策に協力するとともに、自ら健全な食生活を送るよう努めるものとする。

(家庭における食育の推進)

第8条 町は、町民が家族等で食事を共にし、くみやま野菜を日常に取り入れるとともに郷土料理にも接し、食に対する関心及び理解を深め、多くの食体験を積むことで世代を問わず自身の価値観で食を選択できる味覚形成を促し、健全な食習慣を確立できるよう必要な施策を講ずるものとする。

(学校等における食育の推進)

第9条 町は、子どもたちの健全な心身の成長が図られるように、学校給食等を通じてくみやま野菜に接する機会を提供するとともに、子どもたちが生活に根付いた郷土の味に誇りを持ち、地産地消を理解し、生産から消費に至るまでの様々な体験ができるよう学校等における活動を支援し、必要な施策を講ずるものとする。

(地域における食育の推進)

第10条 町は、地域及び生産者等の活動を通じて伝統的な食文化の継承及び普及並びに食生活の改善及び健康増進につながるくみやま野菜の消費拡大及び産業振興を推進する。

2 町は、前項に定める地域における食育を推進するため、必要な情報発信、啓発その他の施策を講ずるものとする。

(食文化の継承)

第11条 町は、くみやま野菜や郷土料理をはじめとした地域に根付いた特色ある食文化の継承を推進し、食文化が未来に引き継がれるよう必要な施策を講ずるものとする。

(地産地消の推進)

第12条 町は、地産地消の推進及び学校給食等における地場産農作物の利用促進が図られるよう必要な施策を講ずるものとする。

(くみやま野菜の日の制定)

第13条 くみやま野菜を活用し、食を通じた健康づくりに関する町民等の関心及び理解を深めるとともに、町民等と連携して食育を推進するため、くみやま野菜の日を定める。

2 前項に規定するくみやま野菜の日は、毎月19日とする。

(食育推進会議)

第14条 町は、食育基本法第33条第1項の規定により、久御山町食育推進会議(以下「推進会議」という。)を置く。

2 推進会議は、次に掲げる事務を所掌する。

(1) 久御山町食育推進計画に関すること。

(2) 食育に係る施策の推進に関すること。

3 推進会議は、委員12名以内をもって組織する。

4 推進会議に会長を置き、委員の互選によりこれを定める。

5 前各項に定めるもののほか、推進会議の組織及び運営に関し必要な事項は、別に定める。

(施行期日)

第1条 この条例は、公布の日から施行する。

(特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

第2条 特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和44年久御山町条例第20号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

「野菜のまち」久御山町食育推進条例

令和6年12月25日 条例第23号

(令和6年12月25日施行)