○久御山町救急規程

平成16年1月1日

消本訓令甲第1号

第1章 総則

(目的)

第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)、消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「令」という。)、救急救命士法(平成3年法律第36号。以下「救命士法」という。)、救急救命士法施行規則(平成3年厚生省令第44号。以下「救命士規則」という。)、救急業務実施基準(昭和39年自消甲教発第6号。以下「実施基準」という。)及び救急隊員の行う応急処置等の基準(昭和53年消防庁告示第2号。以下「処置基準」という。)に基づき久御山町が行う救急業務及びこれに関連する業務等について必要な事項を定め、もって、その円滑かつ効率的な運営を図ることを目的とする。

(用語の意義)

第2条 この規程の用語の意義は、次の各号に定めるところによる。

(1) 救急業務 法に定める救急業務をいう。

(2) 救急事故 法及び令に定める救急業務の対象で別表に掲げるものをいう。

(3) 救急救命士 救命士法に規定する者をいう。

(4) 医療機関 医療法(昭和23年法律第205号)に定める病院、診療所及び助産所等をいう。

(5) 医師 医師法(昭和23年法律第201号)に規定する者をいう。

(6) 救急器材 救急業務を実施するために必要な器具及び材料をいう。

(7) 救急病院 救急病院等を定める省令(昭和39年厚生省令第8号)に基づく医療機関をいう。

(8) 救急自動車 救急業務を行う自動車であり緊急自動車(道路運送車両の保安基準第49条)の要件を備えた車両をいう。

(9) 救急隊 令に準ずる。

第2章 救急業務の管理等

第1節 救急責任

(救急責任)

第3条 消防長は、救急事故の実態を把握し、これに対応する救急体制の確立を図り、救急業務を適正に遂行するために必要な対策を講じるものとする。

2 消防署長(以下「署長」という。)は、救急隊が出動した救急事故の実態を把握し、救急業務の執行体制の確立を図るとともに、その円滑な遂行に努めるものとする。

(医療機関等との連携)

第4条 消防長及び署長は、医療機関その他の救急業務に関係ある機関及び団体と常に密接な連携を図るものとする。

(救急隊員の責務)

第5条 救急隊員等は、常に、救急業務に関する法令の規定を遵守するとともに、救急業務の遂行に必要な知識及び技術の習得に努めるものとする。

第2節 救急器材の管理

(救急器材管理)

第6条 消防長は、救急器材を適正に配置するとともに、その効果的な活用法策を講じるものとする。

2 署長及び警防課長は、救急器材の効果的な活用を図るとともに、適正に管理するものとする。

(救急器材の管理責任者)

第7条 救急器材の適正な管理を行うため、救急器材管理責任者を置くものとする。

2 前項の救急器材管理責任者は、署長及び警防課長をもって充てる。

第3節 救急技能の管理

(訓練計画)

第8条 消防長は、救急隊員等の技能維持及び向上を図るための訓練(以下「救急訓練」という。)の指針を示すものとする。

2 署長は、前項に規定する指針に基づき、救急隊員等の訓練計画を樹立するものとする。

3 前2項の規定は、救急隊員以外の消防吏員に対し随時に実施する救急訓練についても準用する。

(救急訓練の区分)

第9条 救急訓練は、警防活動規定第35条に定めるところにより実施するものとする。

(訓練効果の確認)

第10条 消防長及び署長は、前条に規定する救急訓練の効果を定期的に確認し、救急隊員等の技能維持及び向上に必要な措置を講じるものとする。

第3章 救急体制

(救急隊の編成)

第11条 救急隊の編成は、久御山町警防規程(平成9年4月1日消防本部訓令乙第1号)第8条第1号を準用し、令第44条に基づき、編成するものとする。

2 署長は、救急救命士又は消防学校の教育訓練の基準(昭和45年消防庁告示第1号)第4条第1項に規定する救急標準課程若しくは救急Ⅱ課程を修了した者をもって救急隊を編成するよう努めるものとする。

(医師の指示及び助言体制)

第12条 救急隊員等は、救急救命処置及び応急処置を行うにあたっては、医師の包括的な指示及び指導助言及び医療関係者との緊密な連携を図り、適正な医療の確保に努めなければならない。

第4章 救急活動等

第1節 通則

(救急活動の原則)

第13条 救急活動は、傷病者の救命及び症状悪化の防止を主眼とし、傷病者の症状に適応した救急事故現場に最も近い救急病院(救急診療所を含む。以下同じ。)に、速やかに搬送することを原則とする。

(増援要請等)

第14条 救急隊長(以下「隊長」という。)は、救急事故現場の状況により増援の必要があると認めるときは、小隊の種類及び必要数を明確にし、本部に対し増援要請を行うものとする。

2 増援要請により出動した消防隊等は、救急活動の支援等を行うものとする。

(住民等の協力)

第15条 救急事故現場に出動した救急隊員等は、救急活動上緊急の必要があると認めるときに限り、法第35条の7第1項の規定に基づく付近住民等の協力を求めることができるものとする。

第2節 観察及び応急処置

(観察)

第16条 救急隊員等は、救急事故の発生形態等の環境の観察及び傷病者の観察を行うものとする。

(救命処置及び応急処置)

第17条 救急隊員等は、傷病者の状態その他の状況から、傷病者が医師の管理下におかれるまでの間において、生命が危険であり、又はその症状が悪化するおそれがあると認める場合に必要な救命処置及び応急処置を行うものとする。

2 傷病者が医師の管理下にある場合において、当該医師の指示があるときは、その指示に従い救急救命処置及び応急処置を行うものとする。

(医療機関への引継ぎ)

第18条 隊長は、傷病者を医療機関へ収容したときは、当該医療機関の医師に対し、別に定める事項を引き継ぐものとする。

第3節 搬送

(依頼搬送)

第19条 傷病者又はその家族から救急病院以外の医療機関への搬送依頼があったときは、第13条の規定にかかわらず、傷病者の症状、救急業務上の支障の有無等を判断したうえ、搬送することができるものとする。

(転院搬送)

第20条 現に医療機関の医師の管理下にある傷病者を他の医療機関に搬送するときは、当該医師からの要請があった場合で、搬送先医療機関の受入れが確保されており、かつ、緊急性が認められるときに限り、行うものとする。

2 前項の規定により搬送するときは、要請した医療機関の医師等に同乗を求めるものとする。

(搬送制限)

第21条 傷病者が、次の各号の一に該当するときは、当該傷病者を搬送しないことができるものとする。

(1) 明らかに死亡しているとき。

(2) 医師が死亡していると診断したとき。

(3) 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号。以下「感染症法」という。)に関するもの

2 傷病者又はその家族が搬送を拒否したときは、搬送しないことができるものとする。

(関係者の同乗)

第22条 隊長は、傷病者を搬送するにあたって、傷病者の家族その他の関係者が同乗を求めたときは、これに応じることができるものとする。ただし、処置等の施行中又は安全管理上支障があると認めるときは、この限りでない。

(保健所長等との連携)

第23条 隊長は、傷病者の状態その他の状況から保健所長又は警察官等関係機関との連携が必要であると認めるときは、必要な措置を講じるものとする。

(医療用器材等の輸送)

第24条 消防長及び署長は、救急事故現場の状況から、緊急に医療用器材等を輸送する必要があると認めるときは、当該医療用器材等を輸送するものとする。

第4節 安全管理

(安全管理)

第25条 署長は、救急業務を遂行するにあたって、安全管理上支障が生じると認めるときは、救急隊員等の交替等必要な処置を講じるものとする。

2 隊長は、救急隊員及び傷病者並びにその家族その他の関係者の安全保持に努めるものとする。

3 救急隊員等は、安全監視及び危険要因の排除に配意し、危害防止に努めるものとする。

(感染防止措置)

第26条 消防長及び署長は、救急業務を遂行するに伴い、ウィルス性疾患等の病原体により、汚染し、又は感染するおそれがあると認めるときは、速やかに、必要な措置を講じるものとする。

2 救急隊員等は、必要な救急器材を活用して感染防止の徹底を図るものとする。

(感染性廃棄物の処理)

第27条 消防長及び署長は、救急活動により生じた感染性廃棄物の処理方法について整備するものとする。

第5節 救急活動の記録

(救急活動の記録)

第28条 隊長は、救急事故に出動した都度、別に定める救急現場活動報告書を作成するものとする。

2 前項の救急活動記録をもって、救命士法における救急救命処置録とする。

(即報事項)

第29条 消防長及び署長は、救急隊が出動した救急事故が、次の各号の一に該当するときは、町長に即報しなければならない。

(1) 救急活動に伴う交通事故が発生したとき。

(2) 救急活動に伴い、職員又は協力者等が死傷したとき。

(3) その他重要若しくは特異な事故又は即報の必要があると認められる重要事項が発生したとき。

(搬送の証明)

第30条 署長は、搬送した傷病者又はその家族から搬送したことの証明を求められたときは、その事実について記載した別に定める証明書を交付できるものである。

第5章 応急手当等の普及啓発等

(普及啓発業務の推進)

第31条 消防長及び署長は、住民の自主救護能力の向上を図るとともに、住民に対し、応急手当に関する知識及び技術、救急車の適正利用等の普及啓発活動(以下「普及啓発業務」という。)を推進するものとする。

(普及啓発業務の推進計画)

第32条 消防長及び署長は、年度ごとに普及啓発業務の推進計画を樹立するものとする。

2 署長は、前項の推進計画に基づき、署における普及啓発業務の推進計画を樹立するものとする。

(患者搬送事業に対する指導)

第33条 消防長は、搬送用自動車等を活用し、患者等の搬送業務を行う事業者の指導を行うものとする。

第6章 雑則

(救急調査)

第34条 消防長及び署長は、救急業務の円滑な遂行を図るため救急調査を実施するものとする。

(施行細目)

第35条 この規程において、別に定めることとされている事項及びこの規程の施行に関し必要な事項は、別に定める。

1 この訓令は、平成16年1月1日から施行する。

別表(第2条関係)

種別

内容

火災

火災現場において直接火災に起因して生じた事故をいう。

自然災害事故

暴風、豪雨、豪雪、洪水、地震、雪崩、地すベりその他の異常な自然現象に起因する災害による事故をいう。

水難事故

水泳中(運動競技によるものを除く。)の溺者又は水中転落等による事故をいう。

交通事故

すべての交通機関相互の衝突及び接触又は単一事故若しくは歩行者等が交通機関に接触したこと等による事故をいう。

労働災害事故

各種工場、事業所、作業所、工事現場等において就業中発生した事故をいう。

運動競技事故

運動競技の実施中に発生した事故で、直接運動競技を実施している者、審判員及び関係者等の事故(観覧中の者が直接に運動競技用具等によって負傷したものは含み、競技場内の混乱によるものは含まない。)をいう。

一般負傷

他に分類されない不慮の事故をいう。

加害

故意に他人によって傷害等を加えられた事故をいう。

自損行為

故意に自分自身に傷害等を加えた事故をいう。

急病

疾病によるもので、救急業務として行ったものをいう。

その他

転院搬送

第20条に規定するものをいう。

医療用器材等輸送

第24条に規定するものをいう。

その他

上記の救急事故に分類不能のものをいう。

久御山町救急規程

平成16年1月1日 消防本部訓令甲第1号

(平成16年1月1日施行)

体系情報
第12編 防/第1章 消防本部
沿革情報
平成16年1月1日 消防本部訓令甲第1号